数次相続について

数次相続とは簡単に言うと相続が2回以上発生していることを言います。

まずは下記の図をご覧ください。

数次相続

被相続人とは死亡した人のことを指します。

図にあるように被相続人には相続人がA・B・Cの3人居ます。

Bが死亡していなければ被相続人の財産はA・B・Cの3人が相続します。

数次相続とはこの場合においてB(AやCも同様)が死亡しているようなケースです。

仮に被相続人が死亡した後にBが死亡したとすると、被相続人の相続財産はA・C・X・D・Eの5名で遺産分割協議を行う形となります。

ただし、この場合において被相続人の不動産の持分をAとCが一部でも相続する場合においては一回の登記でX・D・Eが持分を貰い受けることは出来ません。

この場合、X・D・EはあくまでもBの「代わり」に遺産分割協議を行い、取り敢えずはBに対しての持分を他の相続人と協議して決め、Bの持分登記を入れる必要があります(例:Bの持分3分の1)。

その後、Bの持分に対してX・D・Eが遺産分割協議をして任意に登記を入れる形となります。

これに対し、AやCが不動産の持分を受け取らない場合は1回でX・D・E等に登記することが可能です。

中間の相続が単独相続となる場合(上記の場合はBが単独で相続するという形式上の話)は第2相続の相続人X・D・Eに直接相続登記を行うことが可能となります。

代襲相続

被相続人が死亡する前にBが死亡していた場合はA・C・D・Eの4名で遺産分割協議を行います。

代襲相続と言う考え方があり、本来の相続人であるBが被相続人の死亡よりも前に死亡している場合はその子供が変わって「相続人」になります。

代襲相続できる者は被相続人の直系卑属(兄弟姉妹の場合は傍系卑属)に限られるため、上の図で言うとBの配偶者であるXはこの場合の相続人には該当しません。

このため、相続人の死亡時期によって相続関係が変わってきます。

相続の形式によっては登記が1回で済む場合もあれば2回を要することもあります。

こうしたことから数次相続の場合は手続きが複雑になるケースも多く見られます。