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手続の概要

ここではケース別に手続きの概要をご紹介致します。

相続による不動産の名義変更

「相続登記」とは亡くなられた人(被相続人)名義の不動産を相続人に名義変更する手続きのことを指します。

相続人全員で均等に持分を持つことも出来ますし(共有)、誰か一人の名義にすることも可能です。

手続きの流れとして最初に行うべきは戸籍謄本等の収集です。数次相続や代襲相続の案件では集める書類もかなり多くなります。

次に誰が不動産の名義人になるのかが決まれば遺産分割協議書を作成し、相続人全員で署名捺印をします。使用する印鑑は実印と定められており、印鑑証明書も必要になります。

それらの書類が揃ったら管轄の法務局へ申請をするという流れです。
申請の際、登録免許税(評価額×0.4%)を納めます。

登記が完了すると新しい名義人に対し登記識別情報(権利証)が発行され、原本還付の手続きを取っている場合は提出した戸籍謄本等が併せて返却されます。

こうしてみると大した作業に思わないかもしれませんが、戸籍の郵送請求など慣れていないと非常に面倒な作業と言えます。

細かい点を言えば原本還付の方法、申請書の提出方法、登録免許税の納付、不備があった場合の対応、遺産分割協議書の作成方法など分かりにくい点はたくさんあると言えます。

面倒な作業はどうぞ司法書士にお任せいただければと存じます。

贈与による不動産の名義変更

「贈与」というと一方的に物をあげるイメージがありますが、あくまでも「贈与」とは「契約」であり、贈与する側とされる側双方の意思表示が必要です。

つまり、一方が「差し上げます」と言い、もう一方が「受け取ります」という感じです。

法律上は口頭による贈与契約も有効ですが、不動産の名義変更においては贈与契約書を作成する形になります。

相続時精算課税制度を利用した不動産の贈与も以前に比べると増えている印象があります。

贈与による不動産の名義変更を行うときにネックになるのが登録面鏡税です。
贈与の場合は評価額の2%を登録免許税として支払わなければなりません。
固定資産税の評価額が仮に2000万円の場合、実に40万円もの登録免許税が必要になります。

相続時精算課税制度を利用した場合、贈与税の支払いは回避できるケースはあれど、この登録免許税は必ず手続き時に納める必要があります。

また、贈与される側(新しく不動産の所有者となる人)には不動産取得税が発生することがあります(軽減措置有)。

こうしたことから、贈与による不動産の名義変更を考える場合には税金の面にも注意する必要がありますので、事前に税務署などに確認を取っておくのが安心と言えます。

手続き上は現所有者の権利証や印鑑証明書、新らしく名義人になる人の住民票などを揃え申請する形です。

相続の手続きに比べるとその書類の量はかなり少ない印象です。

離婚による不動産の名義変更(財産分与)

離婚により不動産の名義を夫婦どちらかの名義に変更する場合があります。

既に離婚給付契約書(離婚協議書)や離婚給付契約公正証書を作成している場合はその書類を使って不動産の名義変更をすることが可能です。

もちろん、それらの書面には財産分与として不動産の名義を変えるという内容が盛り込まれている必要があります。

既に離婚届を出している場合でも協議書(例:養育費等支払契約公正証書)等を作成して手続きをすることも可能です。

夫婦それぞれが持ち分を持っている場合(例:2分の1ずつ等)はどちらかの持ち分を相手側に全て譲渡する形で登記を行います。

上記した贈与のケース同様、登録免許税が評価額の2%必要になります(贈与税については一定のケースを除いて非課税)。

この登録免許税をどちらが負担するのか、その割合等を離婚協議書に定めておくことも可能です。

弊所では離婚給付契約書(離婚協議書)及び離婚給付契約公正証書の準備も可能ですので遠慮なくお問い合わせください。

手続き上は上記した贈与のケースとあまり変わりはありません。