預貯金の相続(解約)
預貯金の相続手続き(解約・名義変更)の流れと注意点|福岡の司法書士が解説
「家族が亡くなった後、銀行口座はどうなる?」「凍結された口座からお金を下ろすにはどうすればいい?」
身内の方が亡くなると、お葬式の準備や各種手続きと並行して、故人の「預貯金の相続手続き」を行う必要があります。不動産の相続登記と同様に、銀行やゆうちょ銀行での手続きも、慣れていない方にとっては非常に煩雑で時間がかかるものです。
本記事では、福岡で多くの相続遺産承継をサポートしてきた司法書士が、預貯金相続の基本、具体的な手続きの流れ、失敗しないための注意点、そして司法書士に依頼するメリットまでを分かりやすく解説します。
1. 預貯金相続の基本:なぜ口座は「凍結」されるのか?
よく「亡くなると同時に自動的に口座が止まる」と思われがちですが、実際には金融機関が名義人の死亡の事実を知った時点で口座が凍結されます。(役所に死亡届を出したからといって、銀行に自動で通知されるわけではありません)。
なぜ凍結するのか?
亡くなった方の財産は、死亡した瞬間に「全ての相続人の共有財産」になります。一部の相続人が勝手にお金を引き出して使い込んでしまうようなトラブルを防ぎ、遺産を正しく守るために、銀行は入出金をすべてストップさせるのです。
口座が凍結されると困ること
葬儀費用や未払いの医療費の支払いに充てたいのに引き出せない
公共料金やクレジットカード、家賃などの自動引き落としが止まってしまう
※引き落としが止まると未納・滞納トラブルに発展するため、お早めに支払方法の変更(別口座への切り替えや払込票での支払い)手続きを行う必要があります。
2. 【2024年以降の最新法改正対応】凍結後でも一部引き出せる「仮払い制度」とは?
「口座が凍結されて葬儀費用が出せない!」という緊急事態のために、遺産分割協議が成立する前であっても、一定の金額までなら単独で引き出せる「遺産分割前の仮払い制度」があります。
現在、以下の2つの方法が認められています。
① 金融機関の窓口で直接請求する方法(法改正による簡易制度)
裁判所を通さず、各銀行の窓口で直接請求できます。ただし、引き出せる金額には以下の制限(上限)があります。
【計算式】
「死亡時の預貯金残高 × 3分の1 × 請求する相続人の法定相続分」
(※ただし、1つの金融機関につき上限150万円まで)
メリット:裁判所を使わないため比較的スピーディー。
注意点:戸籍一式など、自分が相続人であることを証明する書類の提出は結局必要になります。
② 家庭裁判所に申し立てる方法
金額の上限なく、より大きなまとまったお金が必要な場合は、家庭裁判所に申し立てて許可を得る方法もありますが、時間と手間がかかります。
3. 預貯金の相続手続き(解約・払戻し)の具体的な流れ
遺産分割協議がまとまり、実際に口座を解約(または名義変更)して各相続人に分配する際の手続きは、一般的に以下のステップで進みます。
ステップ①:故人の口座(遺産)の調査
通帳やキャッシュカード、郵便物などから、どの銀行に口座があるかを洗い出します。口座があるか不明な場合は、銀行に「残高証明書」や「名義人が持つ全口座の照会(全店照会)」を請求します。
ステップ②:必要書類(戸籍など)の収集
預金の手続きで最も大変なのが、この「書類集め」です。銀行から以下の書類を求められます。
被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの一連の戸籍・除籍謄本
相続人全員の現在の戸籍謄本
相続人全員の印鑑証明書(3ヶ月〜6ヶ月以内、銀行による)
遺産分割協議書(相続人全員の実印が押されたもの)
各金融機関指定の「相続届(払戻請求書)」
ステップ③:金融機関への書類提出・手続き
平日の昼間に銀行の窓口(または郵送対応の専門部署)へ書類を提出します。銀行側での厳重な書類審査が行われるため、窓口に投げてから実際に紙の通帳が解約され、お金が振り込まれるまで2週間〜1ヶ月程度かかります。
ステップ④:各相続人への遺産の分配(送金)
代表者の口座に一括で払い戻された後、遺産分割協議書の内容に従って、他の相続人の口座へそれぞれの手戻り分をネットバンキングや窓口から送金します。
4. 自分でやるとココが大変!預貯金相続の注意点
不動産の登記手続きと比較すると、銀行の手続きは「一箇所で終わらない」という大きな罠があります。
金融機関ごとにルールや書式が違う
不動産登記であれば、その管轄の法務局に1回出せば済みますが、銀行は違います。福岡銀行、西日本シティ銀行、ゆうちょ銀行…と、口座がある金融機関の数だけ、全く同じ書類を何度も提出し、それぞれの指定用紙(相続届)に全員のサインをもらう必要があります。特にゆうちょ銀行は手続きが独特で、非常に手間がかかることで有名です。
平日の日中に何度も通う必要がある
書類に不備(戸籍の不足や、印鑑の押し直しなど)があると、その都度平日の15時までに銀行の窓口へ出向かなければなりません。お仕事をされている方にとっては、これだけで大きな負担になります。
分配(送金)の手間と親族間の透明性
解約金を代表者が一括で受け取った後、他の親族へ送金する際の手続きも面倒ですし、万が一計算や送金が遅れると「本当に正しく分けてくれたのか?」と親族間で不要な疑念を生む原因にもなりかねます。
5. 預貯金の解約・遺産承継を司法書士に依頼するメリット
当事務所(司法書士山本事務所)では、不動産の名義変更(相続登記)だけでなく、銀行や証券会社の口座解約・分配までを丸ごと代行する「遺産承継業務(財産管理業務)」を承っております。
司法書士にご依頼いただくことで、以下のようなメリットがあります。
戸籍集めから銀行窓口まですべて丸投げできる
お客様に行っていただくのは、実印の捺印と印鑑証明書の取得だけです。面倒な戸籍集め、各銀行ごとの書類作成、平日の窓口手続きはすべて司法書士が代理人として行います。
「預かり金口(信託口)口座」の利用で親族間も安心・クリーン
解約された預金は、代表者個人の口座ではなく、司法書士が管理する「相続財産管理口」という専用の口座に一括で回収します。そこから遺産分割協議書通りに各相続人へ厳格に分配・送金しますので、親族間でのお金のやり取りが非常にクリアになり、トラブルを防げます。
不動産(相続登記)と一括で手続きできて効率的
「実家が福岡にあり、預金口座も福岡の銀行にある」という場合、不動産の名義変更で使用した戸籍一式をそのまま銀行手続きにも使い回せるため、費用も時間も大幅に節約できます。
福岡での預貯金・不動産の相続は、山本事務所へご相談ください
「通帳が多すぎてどこから手を付けていいか分からない」「遠方に住んでいて福岡の銀行に行けない」「仕事が忙しくて平日に手続きをする時間がない」当事務所では、平日の夜間や土日のご相談にも柔軟に対応しております。まずは費用の見積もりだけでも構いません。親身になってサポートいたしますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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