登記識別情報とは

登記識別情報とは、その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合に当該申請人に通知される12桁のパスワードを指します。

登記識別情報が通知されるケースは幾つかありますが、簡単な例として家を購入した時や相続などで新たに不動産の名義人となるケースです。

12桁のパスワードがどうやって発行されるかと言えば、登記の手続きが終わると目隠しシールがされた登記識別情報(通知)が書類として発行されます。

目隠しシールを剥がすと12桁の英数字が書かれてあり、これが登記識別情報となります。

平成17年以前までは「権利証」が発行されておりましたが、それ以降の手続きについては登記識別情報が通知されることになりました。

ただ、平成17年から通知されることになったとは言え登記所により登記識別情報が導入された時期がバラバラのため、実際には平成17年以降の手続きにおいても管轄によっては権利証が発行されていました。

こうした経緯を踏まえ、平成20年7月より全国の登記所で登記識別情報が通知されることになりました。

権利証(登記済証)の扱いはどうなる?

現在では登記識別情報が通知されるとはいえ、これまでに発行されている権利証はそのまま使用することが出来ます。

手元に権利証がある場合、その不動産を売買する時などは権利証が必要になりますのでこれまで同様、大切に保管頂ければと思います。

登記識別情報が通知される登記

所有権の保存や移転登記、抵当権の設定登記や移転登記などがあります。

また、更正の登記を申請した場合等にも新たに登記名義人となる人に対して登記識別情報が通知されることになります。

登記識別情報が必要になる時とは?

土地や建物を売買する時や抵当権を設定する時などに必要になります。

簡単に言うと、登記識別情報を持っている人が不利になるケースで必要になると考えると分かり易いと思います。

例えば、冒頭に記載したように不動産を売却する時はその所有権を手放すことになる訳ですから、登記識別情報が必要になります。

また、抵当権を設定するということは所有する不動産に担保権(借金のカタ)が設定される訳ですから登記識別情報を持っている不動産の所有者が不利になる、という考え方です。

こうした考えを元にすると相続の登記では登記識別情報が不要になります。

相続は所有者が死亡したことにより不動産の名義が変わる訳ですから、亡くなられた方が不利になるという考え方は成立しないため登記識別情報は不要、と考えておけば大丈夫です。

登記識別情報の再発行

仮に登記識別情報を紛失した場合はどうなるでしょうか。

この場合、登記所へ再発行の依頼をしても受け付けてもらえません。

そもそも、登記識別情報の再発行という手続きが存在しないため二度と登記識別情報を得ることが出来なくなるわけです。

では、登記識別情報を紛失した不動産は売却などが出来なくなるのかと言えばそんなことはありません。

一般的な方法として、司法書士による本人確認情報の作成があります。

申請人(売買であれば売り主)が申請をする権限を有するものであることを司法書士が確認し、「この人は不動産の所有者ですよ」ということを証明する書類を作成します。

こうすることで登記識別情報を添付することなく登記の申請をすることが可能になります。

これは司法書士が資格者代理人として与えられた権限によるものであります(不動産登記法第23条4項1号)。

お困りの方は御相談下さい。